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参画企業インタビューVol.14

小田急電鉄「『地域価値創造型企業』として次の100年を捉えた体質変革とキャリアオーナーシップ」

2023.03.16

インタビュー

参画企業

23社の企業・団体が集まり、2022年7月「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム 第2期」がスタート。最先端のはたらき方を模索するトップ企業が「キャリアオーナーシップを企業に根付かせ、中長期的な成長を生み出していくには、どうしていくべきか?」という問いについて、議論・実践・検証を重ねています。
 
参加企業はこのコンソーシアムに何を期待しているのか、参画への熱意をインタビューする企画。2期目の第6弾は、小田急電鉄の執行役員人事部長 露木 香織さん、人事部課長の内海 健史さんに、HR領域の取材を多く手がけるライターの杉山 忠義と、キャリアオーナーシップ リビングラボの伊藤 剛がお話を伺いました。

露木 香織
執行役員人事部長

1992年、小田急電鉄に入社。まちづくり推進部長、アセット事業部長と事業部門のリーダーを経て、2022年より現職。地域・顧客価値創造に繋がる人財成長支援に意欲高く取り組む。

内海 健史
人事部課長

1999年、小田急電鉄に入社。広報宣伝、インバウンドなども携ってきたが、人事部門所属歴が最も長く計10年を越える。2018年から現職で、未来価値創造やキャリアオーナーシップを意識した会社人事制度・風土改革に取り組む。

INDEX

    既存価値にとらわれないチャレンジを続け、
    さらなる100年企業を目指す

    小田急電鉄さんでは、2021年から新たな経営ビジョン「UPDATE 小田急 ~地域価値創造型企業にむけて~」を掲げています。まずは、同ビジョンを打ち出した背景について、お聞かせください。

    執行役員人事部長・露木 香織(以下、露木):当社の経営ビジョンとして「社会・地域」「経済」「環境」の3つの軸をベースに、開業100周年を迎える2027年に向けた6年の間に地域価値創造型企業へと事業モデルの更新を進めています。2021年度から2023年度の最初の3年間を体質変革期、2024度から2026年度の次の3年間を飛躍期と捉えており、現在は飛躍期に向けて事業の変革、経営状況の回復を図っています。

    当社は中期経営計画の中で「未来フィールド」の実現を目指し、人事施策も含めてさまざまな取り組みを行ってきました。未来フィールドは、コンソーシアムのテーマ、キャリアオーナーシップにも重なりますが、将来自らが地域や顧客に提供していきたい価値を意味しています。

    改革を進めている最中、新型コロナウイルス感染症が発生しました。それまで当たり前とされていた人の動き、活動が大きく変化し、ビジネスはテレワークに、買い物もネット上のECなどに転換。これまでは社会インフラとして安泰だと思われていた鉄道、不動産が主軸である我々の事業は大きな打撃を受けました。

    実際、当社は2020年度に創業期以来の赤字を計上。経営陣はもちろん全社員に激震が走り、このままではいけない、との危機感を持つようになりました。

    人事部 課長・内海 健史(以下、内海):これまで安泰、安定であった鉄道という事業モデルを、コロナ禍のいま見直すタイミングではないか、と。そして改めて、この先100年続く企業として進むために、全社員の意識改革も含め、会社全体の方向性をアップデートしよう。このような思いからビジョンを策定しました。

    小田急電鉄さんの中期経営計画を拝見すると、キャリアオーナーシップ、キャリア自律につながるさまざまな取り組みを以前からされています。100周年を迎えるにあたり、改めてそのような経営の姿勢を全社員に伝えようとしたわけですね。

    露木:大枠としては「小田急沿線や事業を展開する地域と共に成長するために、既成概念に捉われず常に挑戦を続けることで、お客さまの体験や環境負荷の低減など地域に新しい価値を創造していく企業に進化します」とのビジョンを掲げています。

    一方で、ビジョンというのは抽象的な話で終わってしまうことも少なくありません。そこで、実際に社員や各事業部門は、どのようなアクションを起こせばよいのか。キーとなる軸を明確にするなどして具体的に取り組めるよう、ブレイクダウンしています。

    先に申し上げた3つの軸のうち、たとえば「社会・地域」では、事業の収益を考えるだけでなく、小田急線が走る沿線地域に価値を生み出す事業を進めていきます。「環境」では、CO2の排出削減や資源循環、サーキュラーエコノミーの実現など。事業を通じて環境課題の解決に貢献していきます。

    内海:さらにはそれぞれの軸で「DX発想」「共創発想」「ローカライズ発想」という3つの発想を徹底することで、トランスフォーメーションを進めていきます。

    部門方針などを実際に作成する際、いまご紹介したビジョン、軸、発想を念頭に置いたうえで、業務やサービスに対する考え方を刷新していこうと。人事・経営が一緒になった戦略として、全社的に打ち出しています。

    ここでも核となるのが先に触れた「未来フィールド」です。未来フィールドは社員一人ひとりが、お客さまや社会に価値を生み出していきたい未来。ならびに、そのような未来を実現するために、我々小田急グループが、どのような組織であればよいのか。あってほしいのかを、示すものでもあるからです。

    露木:具体的には「モビリティ×安心・快適」「まちづくり×愛着」「くらし×楽しさ」「観光×経験」「わくわく×イノベーション」という5つの未来フィールドを設定しています。たとえば「モビリティ×安心・快適」では、安全性と収益性を両立した事業モデルを構築して新たな提供価値を創出、またデジタル技術を活用した新たなビジネスモデルの確立を進めています。

    取り組みの一つとして、2019年にリリースしたMaaSアプリ「EMot(エモット)」のさらなる拡充を推進。顧客接点をリアルからデジタルへとシフトさせ、MaaSを通じた小田急沿線の地域活性化に取り組んでいます。

    社員一人ひとりが「価値創造型人材」となり、
    未来フィールドを実現する

    小田急電鉄さんでは先のビジョンに基づき、人材マネジメントポリシーとして「価値創造型人材」を掲げています。「価値創造型人材」について、改めて詳しくお聞かせいただけますか。

    露木:自分の仕事を通して、地域に「価値」を生み出していくことを大切にできる人材です。価値とは、お客さまや共に働く仲間たちの心を動かし、会社やビジネスパートナーの発展に寄与、地域と共に自分自身も成長していくことを意味します。

    「顧客、社会とは?」を自分ごととして捉え、学び続けることができる。価値を積極的に外部に発信し、共感を得る。自分、自社だけで事業を進めるのではなく、パートナーと共に共鳴・共創していく。このような意識や行動で、仕事を進めていくことができる人材です。

    内海:まだまだ行動原理や意識改革のフェーズですが、徐々に根付きはじめていると、手応えを感じています。

    「価値創造型人材」は、キャリアオーナーシップ人材の考えに近しいものと感じています。

    露木:私たちが考えるキャリアオーナーシップ人材とは、自分から進んで学ぶことができる、新しい世界に積極的にチャレンジしていく。このような行動の結果として、新規・既存どちらのビジネスにおいても、新しい価値を生み出していくことのできる人材です。

    内海:このような考えですから、当社が標榜する価値創造型人材とキャリアオーナーシップ人材は、基本の方向性は同じとの認識で間違いありません。結果として、会社と個人が対等な関係になっていく。人事の役割は、キャリアオーナーシップ志向の個人から多様な価値創造の意欲を引き出し、経営とつなげていく。まさに社会が標榜するキャリアオーナーシップの定義と、合致しているとも言えると思います。

    露木:こちらもキャリアオーナーシップの考えにつながりますが、これまでは会社側から社員に対し、きっかけや施策を提供する、いわば一方的な流れでした。しかし、先のビジョンを実現するには、これまでのような受動的な人事制度では難しいだろうと。そこで、ビジョンの策定はもちろん、各種施策をここ4年ほどかけて、経営戦略部と人事部が協力しながら進めています。

    キャリアデザインシート、1on1、社内副業公募など
    多数の施策を展開

    価値創造型人材を育成する、具体的な施策についてどのようなものがありますか。

    内海:まずは、未来創造会議です。原則として全社員が参加し、約4カ月間に渡って定期的なチームミーティングを開催します。会議は2018年から毎年開催していますが、テーマは毎回異なります。共通しているのは、会社として、社員としてどうあるべきか。わりとざっくりとしたテーマであることが多いですね。

    具体的なミーティングの中身としては、マインドセットや心理的安全性、目標設定や振り返りといった考え方を学びながら、個とチームによる主体的なチャレンジを実践します。学び続けることで、全社員が共鳴、共創してもらいたい。と同時に、人材マネジメントポリシーの浸透、定着も期待しています。

    ミーティングの実施前後には適宜サーベイを実施するなど、個人、チーム両方の変化も把握するようにしています。

    2つ目は「キャリアデザインシート」です。今の自分がどのようなキャリアやスキルを持っているのか。これまでの業務履歴などを振り返りながら、改めて自己認識してもらいます。

    その上で次のステップとして、今後、自分がどのような成長をしたいのか。獲得したいスキル、イメージしているキャリアなども記入してもらいます。3年、5年先の未来の姿をイメージしながら、毎年ブラッシュアップしていきます。

    昨今の人事施策として多くの企業が導入している、タレントマネジメントシステムに近しい取り組みですね。

    内海:そうですね。タレントマネジメントシステムの一環と言いますか、大部分とも言えると思います。キャリアデザインシートを作成することで、今の自分に足りないスキルなども明らかになりますし、言語化することでキャリアの自分事化に繋がります。

    露木:キャリアデザインシートの作成に繋げることも意識して、上司と3カ月に一度の頻度で、1on1を行うことを人事から推奨しています。本人の成長と会社の経営戦略をすり合わせることで、自身のキャリアと会社の成長両方に、各人がしっかりと向き合ってもらいたいと考えています。異動や志望する業務も、この1on1で対話してもらいます。

    キャリアデザインシートを作成したことによる、キャリア自律、キャリアオーナーシップに関する手応えはいかがでしょうか。

    内海:繰り返しになりますが、5年ほど前までは会社側から社員にアクションする流れのみであったため、自分のキャリアデザインを深掘りしていない社員が大半でした。キャリアデザインシートを導入してからは、各人の本気度を把握できるようになりましたね。実際1on1で、上司に自分の思いや意見をしっかりと発言できる社員が増えている。そのような良き変化が生まれています。

    1on1はまず管理職に対して推奨して始めましたが、その効果を実感した管理職が自主的に一般社員にまで広げてきており、手応えを感じています。

    露木:キャリアデザインシートならびに1on1を導入したのと同時に、管理職制度も刷新しました。これまでは管理職として一本道しかなかった体制から、職域を3つ設定し、本人に宣言してもらうことにしました。当社ではこれを「ジョブベクトル」と呼んでいます。

    従来どおりのマネジメントのキャリアを築く「マネジメント職」、価値創出領域のスペシャリストを目指す「クリエイティブ職」に加えて、もうひとつ「マルチフレックス職」を設けています。介護や育児といったプライベートの事情などから、一時的に業務のボリュームを減らしたい。そのような従業員にも配慮したジョブベクトルで、何年か経ちプライベートが落ち着いたら、元のポジションに戻れるような内容となっています。

    内海:どのベクトルに進むかも、一人ひとりの管理職社員自らで表明する制度となっています。個人のキャリア志向を把握することが目的で、毎年の上司との1on1で確認してもらいます。

    ちなみに「クリエイティブ職」はスタッフ系部門の管理職でも選択可能で、人事におけるクリエイティブな改革に業務のウエイトを置きたいと、人事部でも同ベクトルを表明しているメンバーもいます。

    この他にはどのような施策があるのでしょう。

    内海:既存事業や組織の枠組みを超え、一人ひとりの社員が新たな事業創造にチャレンジできる「climbers(クライマーズ)」という、社内副業、事業公募のような制度があります。

    個人もしくはチームが事業アイデアを自ら応募し、審査に合格したら、通常業務の5分の1ほどの時間を使い1年ほどの期間をかけ、まさに副業的に事業の粒度を深めていきます。

    そのうえで本格的に事業として進める目処がたったら、改めて審査を行い、通れば経営戦略部に異動し、同事業にフルコミットすることができます。イノベーティブ人材の発掘ならびに風土の醸成を図ると共に、ここでも個人が自ら主体的に応募し取り組むことで、価値創造型人材の育成につながると考えています。

    管理職の意識改革を行うために、コーチング研修を実施

    インフラ事業を手がける企業は、安定的に安全・安心なサービスを提供し続ける意識と新しいことへチャレンジする意識とのバランスをとりながら推進する難しさがあるのではないかと思っています。既存事業とのバランスの工夫などは、いかがでしょう。

    露木:大前提として、鉄道というインフラ事業に携わる私たちにとって、安全・安心は絶対です。一方で、安全・安心にあまりに偏ってしまい、新規事業にチャレンジできない場合があるのも事実です。

    内海:このあたりのバランスに関しては、年代によって意識の格差があると感じています。実際、若い社員はclimbersへの応募や、既存事業でも地域活性化にかかる新たな取り組みなどに積極的です。一方、相応の年齢を重ねた社員は、若手ほど積極的ではありません。そして、そのような上の層の社員が、マネジメント層でもある。そういった観点からも、意識の異なる管理職が、いかに若い世代のアイデアや主体的な活動をうまく引き出せるか、また彼らからも役職に関係なく学び続ける姿勢を持ち続けられるか、そこがポイントだと考えています。

    管理職の役割については、コンソーシアムでも議論し合う分科会があります。管理から対話へとの議論に集約されることが多いと感じていますが、御社においてはどのように考えていますか。

    内海:我々も管理から対話といった意識を強く根付かせたい、と考えています。例えば、鉄道の技術分野の社員などは、いわゆる職人の上意下達的な管理気質の世界観が根強く残っている部分もあります。チームで対話しながら進めることにより、技術伝承においても大事な価値観はしっかり残しつつ、新たな「価値」が付加されることに繋がると思っています。

    先の1on1でのコミュニケーションに関連しますが、議論の内容が乏しいと逆に、会社へのエンゲージメントを下げる可能性があるとも言われます。意識されていることはありますでしょうか。

    露木:おっしゃるとおりだと思います。そこで当社としては、まずはコーチングスキルを管理職が身につけることを重要視しました。5、6年ほど前に部長クラスから、コーチングスキル研修を実施し、合わせて360度評価を試行してきています。現在では課長代理層まで広げています。

    多様な価値の積み重ねの総和が、
    地域価値創造型企業としての未来の姿

    経営戦略としてのビジョン、人事戦略としての各種施策を展開している今、社員や事業にどのような変化が生まれているのか、取り組みの成果についてもお聞かせください。

    露木:既存事業においては、小田急線沿線の価値を上げるために、以前よりも社員が積極的に地域に入っていく取り組みを加速しています。

    鉄道は小児IC運賃を一乗車あたり一律50円としているほか、地元の学校に行き、講演を行い、地域との交流を深めるなど、特に子育て層や小中学生向けの施策を充実させてきています。鉄道ならびに小田急電鉄の取り組みに興味関心を持っていただき接点を得て、ファンになっていただくことで更なるご利用に繋げたいとする社員の思いが施策に繋がっているものです。

    重要なのは、紹介したアイデアのほとんどが、社員一人ひとりの自発的な発案で生まれてきたもの。まさにオーナーシップであるという点です。

    内海:このような取り組みは、社内のイントラネットなどを通じて、社員同士も共有しています。その上で、各人なりの価値を、創造の仕方も含めそれぞれの手法で進めてもらい、実現していく。そうして生まれた多様な価値の総和こそ、地域の価値であり、私たちが目指している価値創造、未来の姿でもあると考えています。

    2022年5月に「下北線路街」が全面開業されました。こちらはまさに「地域価値創造型企業」を体現した事例ですね。

    露木:下北線路街は、世田谷代田駅・下北沢駅・東北沢駅までの全長約1.7km間に全13施設が集う開発エリアです。遡ること2004年9月に地下化工事を開始し、創出された線路跡地では地域の方々と対話し、壊して作るのではなく「サーバント・デベロップメント(支援型開発)」で進めてまいりました。

    商業施設をはじめ、保育園、温泉旅館、学生寮など、多くの方が想像するような都市開発とは異なります。下北線路街に配置した13区画の施設では、それぞれのエリアの地域特徴を踏まえた開発を行い、下北エリア全体の価値を高める工夫を凝らしているのです。多様な地域特性を持つ小田急沿線なので、今後も海老名駅や本厚木駅など、エリアの特徴に合った開発を進めていきます。

    ©ナカサアンドパートナーズ
    ©ナカサアンドパートナーズ

    様々なことがだいぶ順調に進んでいる印象を受けていますが、一方で現状で捉えている課題などがあればお聞かせください。

    露木:課題としては、効率化のポイントであるDXがなかなか進んでいないことですね。これまでの事業モデルがどうしてもアナログ的な部分が多いことも影響しています。今後さらに飛躍するためには、DXを力強く推進していく必要があると感じています。

    内海:当社はこれまで、中途採用には積極的ではありませんでした。しかし、MaaSや「WOOMS(ウームス)」といったデジタル領域の事業では、どうしても同分野に強い人材が必要不可欠です。そこで、喫緊で進めるべき業務内容に知見をお持ちの方にキャリア採用を実施してきています。また、当社のDX推進で必要な人材要件を測り、社員のデジタルスキルを高める研修を実施するなど、基盤を並行して固めている段階です。

    ※「WOOMS」:資源・廃棄物に関わる自治体と事業者に、テクノロジーを活用した収集から事務業務の効率化の支援、資源循環を高める施策やソリューションを提供する、ウェイストマネジメント事業。2021年9月より実施。

    最後に、コンソーシアムに参加しようと思われた理由、期待することなどをお聞かせください。

    内海:キャリアオーナーシップも含め、本日お話させていただいた人事制度の改革を行うにあたり、キャリア論を専門とする、法政大学の田中 研之輔教授にご相談しました。全く面識はございませんでしたが、勇気を出して連絡してみました。私自身のキャリアにおける一つのチャレンジですね。

    すると、快く応じてくださると共に、ちょうどいま本コンソーシアムが立ち上がるから、小田急電鉄もどうかと誘っていただいたんです。田中先生への相談内容とも重なりますが、自社のキャリアオーナーシップの捉え方ならびに、制度設計が世の中のトレンドや他社と乖離していないか。そのあたりを確認したいとの思いもあり、参加することを決めました。

    露木:もうひとつ、鉄道事業者は業界内の交流は活発なのですが、他社との交流がほとんどありませんでした。そこで、本コンソーシアムに参加することで、異業者の方と交流ができるのではないかと。実際、分科会での取り組みだけでなく、相互副業実証実験にも参加させてもらっていますし、人材の融合・交流による新たな変化の創造にも期待しています。

    実際、日々の事業成果を追う事業者の人材が、小田急電鉄さんと交流しています。100年単位で事業を考えている、いわば真逆の事業モデルの会社で事業を体験することで、何か新しいものが生まれるのでは、との期待の声が届いています。

    内海:参加企業の顔ぶれを見ると、グローバルかつ先進的なIT企業の方々も多いですよね。対して我々はドメスティックな、「THE・日本企業」と自認しています。しかし、そのような我々が当コンソーシアムに参加し、他の企業と交流することで、どのように変化していくのか。私たち自身も楽しみですし、近しい業態の企業さんも含め、多くの人に注目してもらえればと思います。

    構成:杉山忠義・杉本友美(PAX)
    企画:伊藤 剛(キャリアオーナーシップ リビングラボ)

    コラム未来創造会議

    未来創造会議は、部門の方針や中期計画の策定を一部の担当だけで行うのではなく、多くの人が参画・対話して方向性を生み出すことで、より創造的で能動的に取り組める方針や計画づくりを行うための会議です。
    方針や計画のアウトプットを出すこと以上に、対話のプロセスを通じて関係の質を高め、組織をアップデートする力を向上させていくことを重視。自組織の1年間の取り組みや価値を皆で棚卸し、ビジョンを描き直す場として、未来価値創造プロセスの中でも特に重要な場として位置づけています。

     

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