キャリアオーナーシップとはたらく未来研究会(第4期)

第6回 中間発表会を開催し、現時点での成果と課題を
議論

2025.01.21

研究会

2024年、日本を代表する48の企業と団体が集まり「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム 第4期」が開催されています。第4期は「これまでの期で培った資産を活用して、キャリアオーナーシップ経営の先進事例を作る」べく、議論を重ねます。
 
今回は中間発表として、全分科会に現在までの議論の経過を発表していただきました。発表内容を踏まえ、本コンソーシアム顧問である法政大学キャリアデザイン学部教授の田中研之輔先生(以下、タナケン先生)からもコメントをいただき、さらに議論を深化させました。
 
本稿では、当日行われた議論の流れをご紹介します。

INDEX

    各分科会のプレゼンテーション

    第1分科会 キャリアオーナーシップと組織/事業貢献の見える化

    前期から続けて、事業貢献とキャリアオーナーシップの関連性を定量的に分析しようとしています。特に、以下のステップを踏もうとしています。

    1. そもそもキャリアオーナーシップは職位・年次・属性差があると仮説を立てる
    2. 主観性の高い指標と、客観性が高い指標を分けて分析する
    3. 上司のキャリアオーナーシップ理解度が高いことや、上司・部下の関係がよいことが影響するのではないか検討する
    4. 若手のほうがよりキャリアオーナーシップと事業貢献への影響が強いのではないか検証する

    まだ答えはハテナだらけで恐縮ですが、この結果をつまびらかにしていきたい狙いです。現状、各社のサーベイがバラバラなので、何とか統一指標にできるよう努力したいです。

    前期はキャリアオーナーシップと事業貢献を直接相関分析しようとして苦労しましたが、間に何ステップかの階段があるはずだ、という仮説を立て、因果関係を紐解こうとしているところです。

    タナケン先生のコメント

    これは明らかにしなくてはならない上に、難しいですよね。今まで、キャリア開発と事業貢献で島が違っており、「個人の持続的成長」の分野でキャリアオーナーシップが語られてきました。しかし、キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアムも4期となり、ついに事業貢献へ踏み込めました。苦労すると思いますが、期待しています。

    他の参加者からのコメント

    ― 新卒や中途によってキャリアオーナーシップの捉え方が違うのでは?という仮説は面白いと思いました。中途の方のほうがキャリアオーナーシップが高そうですが、どうなんでしょうか。

    ― 事業貢献とキャリアオーナーシップの関連性については当社も測りかねている悩ましさを抱えており、第1分科会の調査結果を心待ちにしております。

    第2分科会 マネジメント層のキャリアオーナーシップ意識改革
    1班

    私たちは、マネージャーの意識が変わらないとキャリアオーナーシップの実践は困難であるという考え方から、マネージャー自身が自分事として考えるために何をすればいいのか、を議論しています。各社の情報をもとに、4つの要素分解を試みました。

    そして、それぞれの課題のチェックシートを作り、解決策を見られるようにしました。

    どれから手をつけるとよさそうなのか?を見ていただけるようにリストアップしたほか、色別に人事主体、マネージャー主体、人事とマネージャー両方で行うべき打ち手を分類しました。そして、クイックリファレンスについては具体的に各社の実践例もおつけする見込みです。

    タナケン先生のコメント

    見事にまとまってきていますね。もし余力があれば、マネージャーごとの違いも洗い出したいですね。たとえば、初めてマネージャーになる方はキャリアオーナーシップについて初期研修で得られやすい。逆に、長年管理職であると苦労しやすいかと思います。

    職位だけで分けてしまうと、組織のサイズ感や業種特性で差がありますから。大項目でシニアマネージャーなのか、それとも昇進したての若手なのか、その入り口を分けていただけると見やすいと思います。白書は論文ではないので突っ込まれることを恐れずに、ストーリーを見せていただければと思います。

    他の参加者からのコメント

    ― 具体的施策でとても分かりやすく感じました。

    ― 体系的に事例がまとまっているので、読み手にとって参照しやすいなと感じました。

    第2分科会 マネジメント層のキャリアオーナーシップ意識改革
    2班

    私たち第2班も、マネージャー自身のキャリアオーナーシップ意識変容が必要だととらえています。しかし、当人がこれまで組織の都合でしか異動を経験してきていないため、下手をするとメンバーよりキャリアオーナーシップ意識が遅れている可能性もある。そういった視点で議論してまいりました。

    そして「メンバーのキャリアオーナーシップを高めるのに長けたマネージャーはどのような特性を持つのか?」という視点に基づいて各社でインタビューし、共通項を洗い出したいと考えています。ここで集計できた共通項を反映し、キャリアオーナーシップ意識が高いとは言い難いマネージャーに向けたトレーニングプログラムを作りたい狙いです。

    なお、インタビューでは必ずこれら6項目をお伺いする予定です。こちらは全18名へ実施いたします。取材対象にはキャリアオーナーシップ診断も受けていただいたり、職種や年代の傾向もつかめればと思います。

    現時点でわかっていることとして、会社主導の異動を経験した方が多いので、「置かれた場所で咲ける」タイプがキャリアオーナーシップの高いマネージャーになっているとわかりました。一方で、メンバーのキャリアオーナーシップを育成できているマネージャーたち自身は「自分のキャリアオーナーシップ開発は遅れている」と認識していました。今後も分析を深めていきます。

    タナケン先生のコメント

    議論が鋭くなってきましたね。特に6項目がすばらしいです。人間の脳として6項目を上から見ますので、重要度を意識していただければと思います。できれば本人の特性をトップに出していただきたいです。

    すでに出てきた結果を見ると、「自分のキャリア開発が遅れている」とお答えになっているわけですね。そこまでわかっているマネージャーが変わるには、1カ月必要なのか、3か月必要なのか……といった示唆がほしいです。ヨガやランニングのワークアウトと一緒ですよね。「週1回、簡単なプログラムをやりましょうよ」といった具合で変えていけるといいですね。そういったプログラムの提供は難しいでしょうか。

    ― その人ごとに合わせたオンデマンド研修は難しいですね。

    たとえば、18名を3グループくらいに分けてマネージャーのキャリアオーナーシップを育てる、行動変容を起こさせるプランが出てくるといいですね。

    他の参加者からのコメント

    ― 自分自身を振り返っても、年齢が上がり、ライフプランも変わってきている中で、マネージャーの方がシンプルにキャリアオーナーシップに取り組めない側面があるように思いました。それゆえに、きっかけや複合的な動機づけが必要となってくるのだろうなと、資料を見ながら感じています。

    ― キャリアオーナーシップについて、マネージャーとメンバーとで逆転現象が起きているという指摘は、その通りだと思います。私も含め、マネージャーがキャリアオーナーシップについて語っている時、自分自身の困惑や戸惑いに直面していることがよくあります。時代の変わり目なので、マネージャー自身が恥ずかしがらずに、現状を受け止められる環境を作ることが大切かなと思います。

    第3分科会 キャリアオーナーシップ人材を活かせる
    組織のつくり方 1班

    私たちはキャリアオーナーシップを活かせる組織について研究しているのですが、各社課題を持ち寄ってみてから、議論が行ったり来たりしているのが正直なところです。と申しますのも、各社の「キャリアオーナーシップ」から想起される文脈に違いがあると気づかされているからです。

    ある企業は「社内外で活躍できる人材になってほしい」と考え、他の会社では「自社に定着しつつ、継続して価値を向上していただける人材になってほしい」と考えています。そして、別の企業は「社内で互いに競争してほしい」といったように、少しずつキャリアオーナーシップが浸透した結果に期待する状況で差があるなと。

    したがって、それぞれの会社で「キャリアオーナーシップのどの側面にウエイトを置くか」が変わっていく前提でリストアップしました。

    特に今回はキャリアオーナーシップ人材を活かせる組織作りについて、3つのポイントに要素分解しました。

    1. 戦略的制度マネジメント:事業戦略と人材戦略の連動
    2. 風土醸成:キャリアオーナーシップ人材活躍の認知・理解浸透
    3. 支援施策:従業員ひとりひとりの成長支援

    3つすべてが連動すべきなのは前提としても、各社でウエイトに差があるので、どこに注力するかが変わっていくだろうという認識です。

    タナケン先生のコメント

    いいところまで議論が進んできましたね。ただ、単にキャリアオーナーシップを三者三様と言ってしまうには、重なっている部分もあるだろうと考えています。また、会社ごとのウエイトの差をクリアにしすぎると「この会社は他のポイントはやっていないのかな」と誤解を招きうる。そのため、どう見せるかが難しいと思います。

    分布に掲載している社名を出さないほうがいいと思います。たとえば「A社さんはここが強みで、ここが弱いんだ」と思わせないために、プレゼンテーションの手法を検討していただければと思います。

    第3分科会 キャリアオーナーシップ人材を活かせる
    組織のつくり方 2班

    私たちは「キャリアオーナーシップ施策を打っても、ある一定の割合で停滞する」状態を打破するため議論しています。キャリアオーナーシップが成長志向に偏っているのではないか?はたらく人や組織の多様性が高まる中、”はたらく”に関しても多様な価値観視点が必要ではないか?あるいは、従業員の価値観を踏まえた設計になっていのではないか?といった仮説を立てています。

    逆に、キャリアオーナーシップ人材を活性化できている組織では、メンバーのはたらく価値観に応じた打ち手を用意できているのではないかと考えました。これらをもとに調査しています。

    その結果キャリアオーナーシップ人材が活用されていない組織では「キャリアオーナーシップ関連の施策は認知されているが、研修などに参加する方が少ない」「業務で機会を提供されていると感じる方が限られる」「キャリアオーナーシップを育てた結果、経営や事業にどう接続するかが感じられない」といったことがわかってきました。

    これらの結果を踏まえ、解決策を提案していければと思います。

    タナケン先生のコメント

    丁寧な分析ですね。キャリアオーナーシップを育てていった先でまた訪れる課題について、アプローチしてくださっています。他のチームが「まだキャリアオーナーシップが認知されていない組織」への打ち手を議論していますが、ここは他分科会と合体して「その次」のステップの解決策を提案していただけると思います。

    他の参加者からのコメント

    ― キャリアオーナーシップが成長志向重視に偏っていると強く感じます。納得です。

    第4分科会 キャリアオーナーシップ実践レベルをあげる
    HR部門の新たな役割

    人事の最高責任者であるCHROは、CFOと同じレベルで事業貢献と人材戦略を接続する必要があります。その前提でどのようにして、どういう世界観を構築する必要があるのか、人事として外部に働きかけるストーリーを語れるように議論しました。

    具体的には、以下3つの変革を提案しています。

    1. キャリアオーナーシップ施策を継続的に推進
    2. 人事部門とHRBPが一体・相互連携しキャリアオーナーシップを推進
    3. 戦略策定において、キャリアオーナーシップとKPIの関連性を説明

    手順としては、人事の関係者は上図のCHRO、人事部門、HRBPごとの現状と課題を洗い出しました。

    そして、我々が描きたい人事の未来が上の図です。外部ステークホルダーにまで我々の人材戦略が届くようにストーリーをお見せできればと思います。

    タナケン先生のコメント

    素晴らしいと思います。メッセージがクリアですよね。この形でぜひ進めていただきたいです。少し時間が巻いてしまいましたので短くて申し訳ないのですが、非常によい流れができていると思っています。

    第5分科会 リスキリングの「場」と「仕組み」のつくり方と実践

    私たちはリスキリングについて、うまくいっている企業事例をヒアリングし、施策に落とし込もうとしています。効果的な動機付けについては4つの因子があると仮説を立てています。

    1. 経営戦略との接続
    2. 学びが必要な状態への導き
    3. 強制と自律のバランス
    4. コ・ラーニング(共に学ぶ)

    また、リスキリングの場においては、(1)きっかけ作り (2)学びの場の提供 (3)成功体験を得ること、が循環する必要があります。

    導入当初はよいのですが、長期的な学びには課題があります。そこで今後も自律的に学ぶ文化の定着方法を解き明かしたいです。

    タナケン先生のコメント

    素晴らしいですね。学びのサイクルの存在自体はわかりますが、じゃあ、決定的に何があるとリスキリングを持続できるのか?を明らかにしていただきたいですね。ぜひ成功事例から打ち手を出していただきたいです。

    他の参加者からのコメント

    ― 自律のグラデーションによる整理が納得です!持続にはコミュニティを形成するのはいかがでしょうか?

    ― 弊社も、ツールの提供などインプットの機会は用意していても、アウトプットまでサポートする力が弱いなと感じているところです。学びが、自分自身のキャリアにとって有効であることが実感させられる仕掛けを作りたいと試行錯誤しています。是非参考にさせていただきたいです。

    第6分科会 越境活動の事業実装 -事業貢献の定量検証-

    私たちは越境施策に軸足を置いて、越境体験が事業貢献につながるストーリーを見たいと思っています。すでにあるデータとして、エンゲージメントサーベイを活用しつつ、社内越境と社外越境の違いも見ています。

    これが現在作っている、社外越境の事業貢献モデルです。

    まず、社内越境を行っている企業では、どの企業でもエンゲージメントサーベイで正の相関がみられました。社外越境も同様に調査予定です。

    タナケン先生のコメント

    1点伺いたいのですが、調査した対象の部門はどうなっていますか?

    ― 部署や部門は多数混ざっていますね。

    だとすると面白いですね。違和感がないので、ぜひこのまま社外越境の調査も進めていただきたいです。また、プレゼンテーションの順番なども検討してください。どこを最重要として見せたいのか、成果を優先度でソートしてください。

    他の参加者からのコメント

    ― 越境がワークライフバランスに影響を与えているのに驚きです!ワークライフバランスを取ろうとして越境を控えるイメージを持っていました。

    第7分科会 事業成長とつながるキャリアオーナーシップ行動の
    起こし方

    私たちの課題認識としては、キャリアオーナーシップの浸透にあたり「現場の若手・中堅・非管理職のベテラン」へ光を当てて議論しています。そのために、企業内でキャリアオーナーシップが浸透するまでのステップを5つに分けました。そして、ステップ別のボトルネックを明らかにし、解決策を提案したいと考えています。中でも最初のステップである(1)認知 (2)理解を得るために、何ができるかを議論しました。

    アウトプットとしては、世代別、職種別にどんな打ち手を行えば認知・理解を得られるかを上図のようなマトリクスで出したいと思っています。

    タナケン先生のコメント

    キャリアオーナーシップについてかれこれ4年くらいやってみてわかったことは、「キャリアオーナーシップは自然発生しない」ということです。ですからトップが伝える、伝え続けることがかなり重要です。しかも、一辺倒に伝えても伝わらない相手がいる。ですから、ステップと職位で分けた分析シートがどのように出てくるか楽しみです。このマトリクス・シートは「相手によってどうやって伝えるメッセージを変えるか」を示してくれると思います。

    他の参加者からのコメント

    ― キャリアオーナーシップに限らず社内浸透の原理原則がわかるのは、汎用性がありそうと思いつつ、もう少し詳しく見た組織特性による打ち手を設計いただけるのは、かなり大事ですね。

    第8分科会 自発的にキャリアオーナーシップを意識させる
    実践的アプローチ -特定の不動層対応と具体的な打ち手- 1班

    私たちは、不動層に対して自発的にキャリアオーナーシップを意識させるにはどうすれば良いか議論しています。その不動層への対応にも優先順位があるのではないか、という話をしています。さらに、阻害要因を明らかにして不動層へ取るべきアプローチのモデルケースを作りたいと思います。

    すでにこの図のアンケートを取りました。

    上図がアンケート結果の概要です。たとえば、1on1は多数の企業で全年代に実施されていることがわかりました。それに対し、30~40代ではあまり強制的な研修を受ける機会がないことがわかっています。現状をもとに何をすべきかをまとめていきたいです。

    この図がモデルケース策定の土台になっている現状です。今後不動層のモデルケースを出していければと思います。

    タナケン先生のコメント

    30~40代はバリバリ働いている層ですから、キャリア研修を入れづらいですよね。若手にはこれ、中堅にはこれといった、処方箋形式での対策を出してほしいと思います。年代別で対策が変わるのかどうか、楽しみですね。

    他の参加者からのコメント

    ― 30代~40代のキャリア支援が足りていないというのは、わが社も一緒です。試しに新任マネージャー向けの階層別研修でキャリアセッションを実施したところ、とても評判が良かったです。

    第8分科会 自発的にキャリアオーナーシップを意識させる
    実践的アプローチ -特定の不動層対応と具体的な打ち手- 2班

    私たちはまず、内発的動機付けをするためのアプローチを考えました。人事発信で不動層のマインドを変える、行動変容を起こすには限界があると思われるからです。施策を出しても活用してもらえないわけですから、内発的動機付けをするような機会を提供すべきであるという認識です。

    具体的には各社運用しているキャリアシートを活用し、内発的動機付けができないかを議論しています。分科会メンバーでデモンストレーションを行い、効果検証を行いました。ただ、デモンストレーションは不動層で実施したわけではないので、そこは課題ではあります。また、キャリアシートでネガティブな対話が生まれた場合どうするか、という課題も残っていますね。

    とはいえ、対話というアプローチには効果があったと認識しています。というのも、キャリアシートでの対話は利害関係がないため、本音で対話しやすいと思われたからです。今後、対話のルールを定めてから実際に不動層へも対話を実施し、効果検証したいところです。

    タナケン先生のコメント

    可能であれば、標準化されたキャリアシートを作りたいですね。他社さんがそうすれば、同じキャリアシートを使えるようになりますから。過去に1on1のフォーマットは白書でお出ししたのですが、キャリアシートはないはずです。それを提供すると。

    他の参加者からのコメント

    ― ネガティブな効果につながってしまうキャリアシートはどんなシートか知りたいです。

    ― キャリアシートの話からは逸れますが……。ベテランへの刺激という意味では、当社は新入社員が配属されるマネージャーを対象にコミュニケーションの研修を実施していますが好評です。ベテランマネージャーが多いため、「ひさびさに研修に呼ばれた」「同じ悩みを持っている仲間がいることを実感できた」などのコメントをよくもらいます。
    「自分って会社からまだ期待されていたんだ」という高揚感を言外から感じます。

    第9分科会 キャリアオーナーシップ実践を阻む壁とその打ち手
    -キャリアオーナーシップ非協力者の相互理解と共存アクション-

    私たちは、キャリアオーナーシップに対してネガティブな職場風土が醸成されていることが、他の方のキャリアオーナーシップが育つのを阻害しているのではないかと見ています。

    この図はキャリアオーナーシップの醸成をグラデーションで示したものです。我々はキャリアオーナーシップの対局として「キャリアは会社が決めてくれるもの」という意識を持つ、伝統的キャリア観を持つ方と表現しています。

    伝統的なキャリア組織では、組織への不満が蓄積してしまい、キャリアオーナーシップを阻害しています。この方々を理解層に転換していくことで、キャリアオーナーシップが育つと考えました。

    対策は革新的な打ち手というよりは、現状すでに出していただいた打ち手を分類し、キャリアオーナーシップを醸成する組織が作れるよう提案していきたいと思います。

    タナケン先生のコメント

    1つだけ挙げると、図の2番は「伝統的なキャリアをやってきたのだけれども、キャリアオーナーシップを持ちたい」層なのかな?という疑問は持っています。グラデーションで理解することは素晴らしいので、ぜひチャレンジしていただきたい。

    おそらく「伝統的なキャリア観 対 キャリアオーナーシップ」で対立軸にあるのではなく、伝統的なキャリア観とキャリアオーナーシップ意識が両立しているのではないかと思われます。そのあたりを議論していただけるとありがたいです。

    他の参加者からのコメント

    ― キャリアオーナーシップ 対 非協力層という2項対立ではなく、「伝統的キャリア意識を持つ層」という中間層と捉え、「共存、理解」を目指していく、というアプローチに納得感がありました。実践を目指す前のステップとして、各社がスタートしやすいのかもしれませんね。

    ― ありがとうございます。伝統的なキャリア層の方々について、キャリアオーナーシップについてイメージがわかないのみ、で段階を踏めば受容できるというケースもありえそうに思えました。

    事務局からのお知らせ

    3月には分科会活動の成果を報告するオンラインベントを開催するほか、成果報告書「はたらく未来白書2025」を発行予定です。今年度のコンソーシアム活動にご期待ください。

    構成:伊藤 ナナ・杉本 友美(PAX)
    企画:伊藤 剛(キャリアオーナーシップ リビングラボ)
    グラフィックレコーディング:松田 海(ビズスクリブル株式会社)

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