お知らせ
法政大学・大学院教授 田中 研之輔先生(以下、タナケン先生):
0期からご一緒させていただいて、キャリアオーナーシップの研究・議論を進めることができました。チームとしての成果に満足しています。さらに、書籍、白書と成果を報告することもできました。
コンソーシアムという場を5年間も作ることができたことは、私たちにとっての金メダルではないでしょうか。理知的な集まりは今後も続くと思います。次回はウェビナーとなりますので、社外の方も入られる報告会です。そういった意味で、今後も社会を動かす戦略的なプロジェクトを続けていきたいと思いますが、まずは今回がグランドフィナーレとなります。
冒頭にこのお知らせを入れたのは、最後にお伝えするのはあまりにも忍びないからでもあります。ここからのお時間で、議論へさらにエンゲージメントを高めていただき、よい結果を出していただきたいですね。
司会:
ここからは、みなさまのグッドプラクティスが出てきて、個社からも金メダルが出ると思います。こうした場がなくなることはとてもさみしいですが、みなさまの活動はこれからもさまざまに広がっていくと思い、応援しております。
はたらく未来白書 2026 アップデート

コンソーシアム総合企画プロデューサー 伊藤 剛:
本年度の皆さんの活動をまとめた成果物「はたらく未来白書 2026」も完成に近づいております。表紙のデザインについてご紹介です。年を重ねるごとに、空(理論・体系)から徐々に降りていった表紙が、ついに地面(実践)に降り立ったかたちとなります。
ここから先は、各分科会で各実践内容を振り返っていただきます。その後、各分科会から感想を伺い、タナケン先生に総括していただきます。分科会ではプレッジ(宣言)の内容について、「いかに社内で実装するか」を相談してください。
そして「半年後、この件についてあなたに報告します」と、分科会内でお約束していただければありがたいです。
※なお、各社の実践は、当コンソーシアム内のクローズドな場での共有となるため、レポートでは紹介しません。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
各分科会からの感想

第1分科会
私たちのプレッジで多かったのは、各社でキャリアオーナーシップ人材を定義し、広報していく必要性でした。経営、理念、文化といったところへも採用は重なりますので、単なる要件定義ではなく理念とマッチングできた採用をしたいとの声も多く挙がりました。
ちょうど、参画企業が採用要件を見直していた内容でしたので、みなさまからいただいた情報によって、私たちの採用戦略にも多くの良い影響を受けました。また、キャリアオーナーシップについて採用の説明会で話すと、学生からの満足度も高い結果を出せていると感じます。ありがとうございました。
タナケン先生:
採用はとても重要ですよね。新卒採用で言えばキャリアオーナーシップはZ世代、α世代にもドンピシャで刺さる。ただ、エントリーフォームでそういう表明をしてくださる企業は少ないですよね。自分たちのキャリアを伸ばせることを、採用ページなどにも書いていただきたいです。
第2分科会
私たちは生成AI活用を推進していくことについて、分科会内で合意できました。人事組織だとどうしてもマンパワーが厳しかったり、P/Lに関するものが優先されがちですが、キャリアを考える部分においても生成AIを活用する施策を実施していきたいと思います。
タナケン先生:
みなさんのアバターでも構いませんから、社会を作っていくために生成AIを活用する施策を実施していただきたいです。第1期にはなかったテーマですが、これこそオンゴーイングの施策ですから、進捗を楽しみにしています。
第3-1分科会
私たちはキャリアチェンジだけがキャリアオーナーシップではない、という考えのもとに議論をしてきました。そのうえで出てきた課題感が「人事部門の発信力」でした。これから1on1をしてください、と上司へ発信していく、これから社長や役員を巻き込む、そうしたときに嫌々ではなく納得感を持ってコミットしていただくために何ができるかを話し合いました。
人事が「来い」といえば社員は100%来てくれるが、なぜ来ているかは考えない層も多い。前向きに研修へご参加いただくためにも何ができるか。そして、本人が納得できない転勤や異動がある、といった企業においてキャリアオーナーシップを発揮できる制度設計が必要だよね、という課題も共有されました。
第3-2分科会
組織・上司・個人の3つのレイヤーを超えていかにキャリアオーナーシップを推進するかについて議論した分科会でしたので、それを実装するためにデータドリブンでやってみようという企業や、改めて3つのレイヤーに取り組んでみよう、という方もいらっしゃいました。キャリアオーナーシップ経営の「2周目課題」と向き合うためにも、今後も進化した課題と解決策の共有をしていきたいと話しています。
第4-1分科会
マネジメント層のキャリアオーナーシップ支援行動を研究した私たちは、取り組みの状況が十人十色であることを再確認しました。社内での浸透段階にある企業から、制度構築まで言及されている企業まで各々決意を新たにしています。
私たちは、第5期に参加できて大変光栄でした。いただいた気づきをもとに、キャリアオーナーシップ支援・育成を行っていきたいと思います。
第4-2分科会
私たちは、ワークショップを実施してキャリアオーナーシップ意識の向上につながっただけでなく、部下の自己開示もしてもらえたことで、上司と部下の関係性も深まりました。各会社さんのプレッジとしては、キャリアオーナーシップ施策の深化をそれぞれ実行したいと発信しました。キャリアオーナーシップ診断の実施や、越境でのマネジメント交流の実施なども登場しています。
キャリアにキラキラしたイメージを抱く社員が多いなか、さまざまな考えを持つ社員を否定することなく、社内でしっかりと自分のキャリアを積み上げるオーナーシップを学ばせていただきました。ありがとうございました。
第5-1分科会
私たちのグループは「AIを活用してキャリアオーナーシップを発揮していただく」といった宣言をする企業が多くありました。他の分科会や事務局からご指導いただいたことで、新たな気付きを得ることができました。今後もキャリアオーナーシップ経営を発展させていくべく、頑張りたいと思います。
第5-2/5-3分科会
私たちはキャリアオーナーシップを推進する文化と制度の関連性を調べました。たどり着いたところは、社員自身がキャリアオーナーシップがなぜ必要か納得していないと、いくら制度を作っても動かない、という結論でした。プレッジとしては、新しい制度ではなく「より定着に向けた本質的な取り組み」をやっていく言葉が多く見られました。
コンソーシアムは節目を迎えますが、こうした形で各社さんとつながれたことが財産になりましたので、引き続き勉強させていただきつつ、キャリアオーナーシップを推進していきたいと思います。
第5-4分科会
私たちは、エビデンスをしっかりとってキャリアオーナーシップの可視化を実現してまいりました。調査を通じてキャリアオーナーシップがいかに経営と紐づいているか私たちも体感しましたので、キャリアオーナーシップを推進できる制度を実装したい、という声が多く見られました。
この短い期間でも、キャリアオーナーシップを推進する取り組みを実施した企業さんもありました。そのスピード感、熱量がある私たちだからこそコンソーシアムに参加したのだ、という思いを新たにしました。コンソーシアム自体は終わってしまっても、活動自体は継続してやっていきたいと思います。
タナケン先生の総括
タナケン先生:
第5期のみなさま、社員数で言うと110万人弱。大きなインパクトのあるコンソーシアムだったと思います。キャリアオーナーシップは、キャリアのことを個人ごとにしない。そして、キャリアを経営とつなぐ、という意義を持っていました。
同時に、キャリアは属人的で平場の話に落ちやすい。新人研修、3年次研修やっています、という形に落とし込まれやすい。そうではなく、キャリアオーナーシップ経営、戦略として全方位・全階層でやることなのだという主張を続けてきました。そういう意味で、良いアプローチができました。
コンソーシアムのホームページを見ると、本当にリッチな情報が掲載されています。このホームページや白書、著作をヒントに、みなさんが今度はオーナーシップを持ち、旗を振って、キャリアオーナーシップを推進していただきたいと思います。みなさんはミドルエイジの方が多く、これから数十年はプレイヤーとして社会を動かしていけるはずです。
私もアクセルを緩めることはありません。社員が停滞することはもったいないですよね。ビジネスパフォーマンスを最大化しながら、楽しくはたらいていただく。その成果は残せました。社内政治も、思うようにいかないこともあると思います。そのときはぜひ分科会やオンラインコミュニティで相談しあってください。
人事のイベントなどでも、またお会いする機会はあります。進展があったらグループに投稿していただいて、どうか3年後、志を変えず続けていきたいですね。
この度は、誠にありがとうございました。これからも、よろしくお願いいたします。
構成:伊藤 ナナ・杉本 友美(PAX)
企画:伊藤 剛(コンソーシアム総合企画プロデューサー)
グラフィックレコーディング:松田 海(ビズスクリブル株式会社)




