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キャリアオーナーシップとはたらく未来研究会(第3期)

第6回 最終発表に向けたタナケン先生との質疑応答会を開催 分科会ごとのブラッシュアップが進む

2024.01.16

研究会

日本を代表する38の企業と団体が参画する、「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム 第3期」の、全体研究会6回目が2023年12月19日(火)に開催されました。第6回目では、12月21日(木)に控えたカゴメ株式会社の常務執行役員であり、元最高人事責任者の有沢正人さんと、元株式会社ニトリホールディングス人事責任者である永島寛之さんから、各分科会活動についてフィードバックを得られる公開イベントがあり、その事前準備を進めました。
 
準備にあたり、コンソーシアム顧問の田中 研之輔先生(タナケン先生)と各分科会が質疑応答を重ね、発表の精度を高めました。本稿では、第6回 研究会で行われた質疑応答の流れをご紹介します。

INDEX

    第1分科会 マネジメント自身のキャリアオーナーシップ

    私たちはマネジメント層のキャリアオーナーシップに向け、課題をまとめようとしています。そこでタナケン先生にご相談させていただきたいのが、マネジメント層がキャリアオーナーシップを推進する時間を持つための、部下への権限委譲と、ネットワーキングの部分です。

    現在、このようなかたちでマッピングしているのですが、リスト化しただけでは各施策の概要がわかりづらいなと思っています。そこで、施策ごとに要検討事項とコストを想定しようとしています。最終的には「マネジメント層のネットワーキング施策◯選」として、アウトプットしたいです。

    タナケン先生のフィードバック

    いいと思います。ただ、権限委譲という単語が、人によっては「ん?」と引っかかるかもしれません。ここでいう「権限委譲」を実行する方はどなたでしょう?

    ――マネジメント層です。マネジメント層が、チームメンバーへ権限を移譲することを想定しています。

    なるほど、ただ、マネジメント層も中間管理職ですから、たとえば評価制度を変えるといった、大掛かりな変化は起こせないですよね。その点について、どう権限委譲を中間管理職レベルで可能にするか、付記するといいと思います。

    第2分科会 越境体験の実践体系づくりとキャリアオーナーシップ効果検証

    私たちは、越境体験をテーマに扱っていて、アウトプットを3パターン作っています。最初のひとつは個人の目線、残りは組織目線です。個人目線では、診断チャートを作りました。

    タナケン先生のフィードバック

    個人向けの診断チャートがあるのは、利用者にとって嬉しいですよね。私も今、お話を伺いながら、うっかり自分自身の診断をやってしまいました。ぜひこの方向で磨いてください。もちろん組織向けも重要ですから残したいですね。個人レベルでキャリアオーナーシップに対する関心度合いがどれほどあるか客観視するのは難しいでしょうけれど、組織としては社員ごとの査定が必要ですから。

    診断について、細かいフレーズはまだ決まっていないと思うので、いろいろテストしてみましょう。今までの白書も見ていただき、診断項目を拾ってもらうといいですね。

    第3分科会 キャリアオーナーシップと事業貢献の見える化

    私たちのチームは、従業員のキャリアオーナーシップが高まると、事業の成果にどれほどつながるかを実証したいと考えています。しかし、現状ではスタックしています。ぱっと見で「キャリアオーナーシップが高い人材が揃った部署は、事業貢献ができている」という相関を示すデータは出ていません。売上や利益は、景気や市場動向、原材料費など、外部要因もあるからです。

    それで細かいデータを分析してみたのですが、かなり個別データが多くなってしまいました。アドバイスをいただきたいです。

    タナケン先生のフィードバック

    まず、大きなテーマを設定できるといいですね。「我々が伝えたいメッセージはこれです」といったお題を決めて、そのうえでアプローチの手法として3つなり、5つなりの調査結果を見せられるとよいかと思います。

    また、サンプルとなる事例を探してはいかがでしょう。想像した事例でもいいので、見た人がリアリティをもって理解できるメッセージがあると、データはわかりやすくなります。そうしたら細かい文章制作は電通や私がお手伝いできると思います。まずは一枚にデータを書き起こしてみてはいかがでしょうか。そうすると、それぞれの関係性も見えてくると思います。

    第4分科会 現場第一線で働く人財のキャリアオーナーシップ意識改革

    私たちは、アンケートとヒアリングを両方実施しました。その結果、どうそれぞれの調査結果のバランスを取り、まとめていくか悩んでいます。

    タナケン先生のフィードバック

    見せ方に固執しなくても大丈夫です。電通さんも私も支援できますから、まずはつらつらと書いていってください。そうすることで見えてくるものがあると思います。

    さらに、業種ごとの特性で分類していただくと、読者も納得できると思います。そこからさらに掘り下げていただいて、「実はこの業種だと、○○という背景があるんですよ」という生のヒアリングに基づく発見もあるといいですね。

    第6分科会 キャリアオーナーシップとリスキリング

    私たちは社員のリスキリングを支援するうえで、他社事例から学ぼうとしています。詳しくは図のとおりなのですが、タナケン先生にはこういう流れでいいか、ご意見をいただきたいです。

    タナケン先生のフィードバック

    大枠として、進め方について賛成です。続けて知りたいのは、「リスキリングを週何時間やるべきか。1人の社員にいくらコストをかけるべきか」といった、かなり具体的な情報です。たとえば、「年◯本プログラムをやりましょう。まず、あなたがやるべきリスキリングは生成AIです。次に、法人営業の研修を経験してください」といった具体案が出せるところまでもっていきたいですね。そうすれば、社内制度でも週◯時間をリスキリングに使っていいよ、といった仕組みが作りやすくなります。

    ――現時点では、社外のe-ラーニングは契約したから、個人で好きに学習してくださいという会社さんが多い状況です。そうなると、どこをベンチマークにすればいいか悩むというのが本音です。

    まずは「前例がなくとも、『キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム』の参画企業でやってみましょうか」でスタートしましょう。前例がある必要はありません。テストプランを回せるのが、コンソーシアムの強みです。月2時間でもいいのです。ノー残業デーみたいに、リスキリングデーを作ってみませんか。

    今後のスケジュール

    今後の予定:次回は人事変革の実践者たちによる公開研究会
    今日のタナケン先生との質疑応答を踏まえ、各分科会の皆さんには公開イベント(オンライン)に参加いただきます。その後、今年一年の各分科会の議論をまとめた統合レポート「はたらく未来白書 2024」として3月末に公開する予定です。

    構成:伊藤 ナナ・杉本 友美(PAX)
    企画:伊藤 剛(キャリアオーナーシップ リビングラボ)
    グラフィックレコーディング:松田 海(ビズスクリブル株式会社)

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