各ワーキンググループによる「議論したい課題テーマ」の発表
Aチーム キャリアオーナーシップ経営を推進するマネジメント層の変革
Aチームでは、各社でマネジメント層の変革を起こすためにも、どの対策の優先順位を高めるべきかディスカッションしてきました。優先順位が高いものとして登場したのは、キャリアオーナーシップの度合いに応じた評価報酬制度の擁立や、マネージャー自身のキャリアオーナーシップを育てる方法です。
特に、マネージャー自身のキャリアオーナーシップを高める施策は各社打てていない状況であり、本当にマネジメント層を変革するのであれば、マネージャーが変わっていく必要があるという点で意見が一致しました。
Bチーム キャリアオーナーシップ経営を推進するマネジメント層の変革
私たちは、越境による社内兼業制度について議論しています。まず、越境と言ってもさまざまなアプローチがあり、それぞれがどういう効果を持つのか分からない状態でした。そのため、数ある越境施策のアプローチを洗い出して、見える化したい考えです。
その後、以下の議論を深められればと思います。
- 越境プログラムの効果的な組み合わせ
- 参加する社員をどう巻き込むか
- 効果を最大限発揮する手法
- 越境プログラムの成果を数値化
Cチーム 人材データ・事業貢献の見える化
私たちは、以下のテーマで議論を進めます。
- 個人のWILL(意志)と、企業の成長をどう両立させるか
- キャリアオーナーシップの高まりによる、個人と組織の関係性の変化にどう対応するか
- キャリアオーナーシップの経営をどうすれば見える化できるか
キャリアオーナーシップ度合いが高い社員ほどエンゲージメントも高いという、第2期の結果を拝見しています。その結果も合わせ、キャリアオーナーシップの育成をすることで、会社にもメリットがあると伝えていきたいです。
Dチーム 業種特性の高い職場のキャリアオーナーシップ意識と組織文化変革:製造人財のキャリアオーナーシップ意識
現場第一線で働く人のキャリアオーナーシップ意識をいかに醸成していくかについて、各社課題意識を抱えているため、まず課題を共有するところから始まりました。各々の課題に共通項を見いだせないか、というところに力を割いたのですが、まだ結論は出ていないのが率直なところです。
ただ、ある程度共通化できるかなと考えた課題は、以下のポイントです。
- 労務構成に限界があり、例えば人材の多くを占める工場勤務者が、全員キャリアオーナーシップをもってしても人事へ異動することはできない
- 企業ごとにスキルの独自性があり、ポータブルスキルが持ちづらい
- 勤務地の制約条件でキャリアオーナーシップを育成しても希望の勤務地を叶えられない可能性がある
上記の難しい課題から逃げ出さず、今後取り組んでいきたいと考えます。
Eチーム 業種特性の高い職場のキャリアオーナーシップ意識と組織文化変革:キャリアオーナーシップ従業員浸透
キャリアオーナーシップを従業員へどう浸透させていくか真剣に話し合いましたが、今回は見事に迷宮入りしてしまいました。ただ、その中でもある程度従業員をカテゴリ分けして、個別に考えていくべきだという意見になりました。
切り分け方については、例えば以下の通りです。
- 世代別(若手・ミドル・シニア)
- 2:6:2の法則(意欲的:普通:意欲が低い層)
- キャリアオーナーシップへの態度(積極的:静観:あきらめ)
切り分け方を従業員のタイプ別にしている理由は、会社別にしてしまうと、企業により差がありすぎて取りまとめが難しいと判断したからです。そのため、個人(従業員)にフォーカスして、どの会社でも使える検証ができればと思います。
Fチーム 業種特性の高い職場のキャリアオーナーシップ意識と組織文化変革:リスキリング
私たちは、リスキリングについて話し合いました。前半ではこれまで各社で話し合ったテーマについて、(1)誰を対象にするのか、(2)何を目的とするかを話し合っています。
対象については例えば、以下の切り分け例が出ました。
- キャリアオーナーシップに関心が高い方のみ
- 正社員のみ
- 従業員全員
リスキリングの方向性については、どのように動機づけをすればいいかが課題の中心でした。そこで「リスキル先進国・日本」というビジョンを掲げてはどうか、というお話をいただき、それがいいね、と盛り上がりました。
Gチーム 業種特性の高い職場におけるキャリア形成支援の具体打手
私たちは本日に先駆けて、先週から話をしていました。そこで各社の課題を洗い出したところ「人材流動化」が大きい課題だったため、そこを深掘りしました。
流動の定義はあくまで社内の流動をテーマとしています。すでに以前のキャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアムで打ち手の候補は100個出ていましたが、その前段階と、後段階のランディングについて話しています。
また、キャリアオーナーシップを実現するための人材流動化が個人主義に走ることだけは避けたいということで、経営と、キャリアオーナーシップの両軸を実現できる人材流動化を実現していきたい考えです。
また、今後の課題としては、以下が挙がりました。
- 社内で人気部署と、流出ばかり起きる部署が生まれうる
- 業績のよい部署と悪い部署で、前者に人が集中してしまう
- 地域によって人気の差が出てしまう
- 人材の流動化における世代差があり、シニアが取り残される
これらの施策を実行するうえでどう解決していくのか、効果検証をどうやるか。このあたりをテーマとしていきたいです。
Hチーム これからの人事ケイパビリティ
私たちは大きなテーマとして「人事のありかた、組織接続のケイパビリティ」について進めました。
その中で明らかになったのは、 「個人がキャリアオーナーシップを持ちたい」という思いと、「企業が人材にこう働いてほしい」という思いのギャップをどうしていくかでした。また、人事としてはキャリアオーナーシップの創出にあたり、人材のサポートが必要であろうとも考えています。
今後、アウトプットとしては「会社ごとのキャリアオーナーシップ進捗レベル」を縦軸に、「人事がやっていくべきこと」を横軸に取り、クロス表を出せればと思います。そうすれば、個社やるべき施策が見えてくるのではないでしょうか。
各ワーキンググループの発表内容まとめ
タナケン先生の全体コメント
みなさん、ありがとうございます。第3期で意識していただきたいのは、以下の3点です。
何よりも大事なのは、「キャリアオーナーシップが進んでも離職、転職が増えるわけではない」という点です。社員はエンゲージメントが高まり、内発的な行動化が進むからこそ経営に貢献できるわけです。また、キャリアオーナーシップの推進は、キャリアの多様化とも関係していません。むしろ、キャリアオーナーシップを推進すると、会社としての生産性、競争力が高まるのだと示していきたいです。
最後に、参画企業様が開催されるキャリアオーナーシップ関連のイベントが続々登場しておりますので、ぜひご参加ください。今後キャリアオーナーシップについて各社でイベントを主催される場合は、コンソーシアムが後方支援できます。必要があればいつでもお声がけください。
構成:伊藤 ナナ・杉本 友美(PAX)
企画:伊藤 剛(キャリアオーナーシップ リビングラボ)
グラフィックレコーディング:松田 海(ビズスクリブル株式会社)