キャリアオーナーシップとはたらく未来研究会(第2期)

第8回 2022年度の活動の振り返りと来期に向けての展望

2023.03.23

研究会

2023年2月21日、「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム 第2期」の第8回研究会が開催されました。参画企業のみで開催される研究会として最後の場となる第8回では「はたらく未来白書 2023」の草稿を踏まえた参画企業同士の意見交換が行われ、顧問の田中 研之輔先生(タナケン先生)からコメントをいただきました。
 
こちらの記事では、第8回 研究会でどんな議論が行われたかご紹介します。

INDEX

    第5分科会「ゆるカチ越境体験」進捗報告

    最初に、「非連続な環境の設定」をテーマにしていた第5分科会から、いよいよ開始する「ゆるカチ越境体験」の実証実験に向けた報告がありました。

    ――現在、ゆるい越境・カチっとした越境を組み合わせた「ゆるカチ越境体験」をテーマに活動している第5分科会において、テストプランとしてどういった越境体験を提供すべきか、これまでアイディア出しをしてまいりました。

    その中から一定の入社歴を越えた層に向けた「社外越境メンタリングプログラム(仮)」の企画・実施・効果検証プログラムを3社協働して進めております。当プログラムはキャリアオーナーシップを中程度持っていらっしゃる、マネジメント経験者を対象に実施予定です。

    今後、2023年7月までに以下の通りプログラムを推進いたします。

    1. メンター/メンティーのプロフィールシートを用いた事前カルテの作成
    2. マッチング
    3. 合計6回のメンタリング実施
    4. 各回後のリフレクション=メンタリング中の気づきを踏まえた改善
    5. 事後測定
    6. 効果検証

    効果検証においては、「相互副業」と同様、キャリア自律支援サービス「プロテア」を使った定量調査と、アンケート形式での定性調査を実施できればと思います。特にプログラム実施前後で変化が大きかった方、逆にうまくいかなかった方の事例を比較し、次回白書に掲載することも検討していく流れです。一旦は3社で実施し、その後、他社さんにも広めていければと期待しています。

    タナケン先生のコメント

    「ゆるカチ越境体験」の実施に期待しています。より価値あるテストプランにしていくためには、メンターの選び方が重要だと思います。メンターの質を最初のテストではコントロールしたほうがいいのではないでしょうか。メンターとメンティーの関係性によって、成果が大きく変わるかなと。

    単に「後輩の面倒を見ることが好きなだけの人」をメンターにしてしまうと、メンティーの満足度を無視した独りよがりなメンタリングを実施する恐れもありますよね。キャリアコンサルタント資格を持っている必然性はありませんが、信頼できるコアメンバーを5人程度指名してから、自由に募る方向性が望ましいのではないかと思います。

    たとえば、単なるA社とB社の越境ではなく、プロのメンターに数名入っていただくのはいかがでしょうか。プロメンターとそれ以外のメンバーによって生じるメンタリングの品質差を測定することで、効果検証がより意義深くなるでしょう。

    研究会を踏まえ、参加者による学び共有

    続いて「はたらく未来白書2023」制作チームから、白書の進捗の報告があった後、第2期研究会の最終回として、「これまでの学びを実践に活かすために、私が取り組むこと」をテーマに、分科会にとらわれないメンバーで対話していただきました。本稿ではいただいたご意見からいくつかを抜粋し、掲載いたします。

    ――弊社はまだ新しい会社で、キャリア支援を始めたての段階にあります。参画前の私は、キャリアガイドブックを孤独に作っておりました。「私などが、何千人もいる従業員のガイドブックを作ってよいのだろうか」という不安もある中で、本コンソーシアムに参加できたことがとても意義深く、勇気づけられました。

    ――弊社は伝統ある会社です。そのため、キャリアオーナーシップの課題は、古い会社だからこそ起きる課題なのかなと思っていました。勝手に断絶を感じていたのは私だけで、やり方は異なっても目指すキャリアオーナーシップの形は同じであると学ばせていただきました。

    ――私は「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」の第1期から参画させていただいています。第2期では理論から発展して、各社のチャレンジが具体化していった年だったと思います。来期はいかに経営や社会に答申していくPDCAを回せるか、今後も楽しみにしています。

    ――私は50代が多い会社に勤めています。特に若手のキャリアについては、ガチガチに会社が決めるような組織で長年やってまいりました。今回、コンソーシアムでタナケン先生がおっしゃる「ベテラン層と若手で、キャリア意識の差」が如実にあるなとモヤモヤしていたところでした。今回の学びを活かし、いかに若手にやりがいを感じていただけるか、上長とも相談していきたいと思っています。

    ――このコンソーシアムでは23社ものトップ企業で取り組まれているキャリアオーナーシップ施策を比較し、話を伺えたことが大きな発見でした。業種や状況が異なる企業で議論すると、ここまで新しい視点がいただけるのだなと。新型コロナウイルスの影響でオンライン開催が多くなりましたが、次回のコンソーシアムでは、ぜひ皆様とリアルでもお会いできればと思います。

    ――参画前は、自社からの単独アプローチだけでは他社状況を知ることが難しいと感じていました。「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」でのディスカッションを通じて、新たな知見を豊富にいただけました。いきなり大きく進めるのは難しいかもしれませんが、本日冒頭で伺った「ゆるカチ越境体験」のように、まずはテストプランからキャリアオーナーシップの醸成に向け貢献していきたいです。

    ――今年で終わってしまうのではもったいないので、ぜひ来期も開催していただきたいです。施策のプランニングを反映し、引き続き改善策をお見せしていきたいです。また次回も、よろしくお願いいたします。

    タナケン先生のコメント

    岸田政権は現在「人的資本の可視化」を大きな指針として打ち出しています。そこで危惧しているのが、経営陣の方向転換です。あえて穿った見方をするならば、経営陣は人的資本の可視化=経営の効率化と誤解するリスクがあると考えています。

    「社員より経営だ、経営とはコストカットと効率化だ」と圧がかかったとき、キャリアオーナーシップが軽視される可能性がある。ですから、キャリアオーナーシップ経営とは、コストカットや効率化とも並走できる施策だと見せていく必要があります。

    みなさんはこの1年間、果敢にキャリアオーナーシップの周知、醸成に向け挑戦してくださりました。だからこそ、たとえば3年後の世界から翻って今日を見たときに、「ウワモノが走るだけだったよね」と言われたらもったいない。当コンソーシアムのようにキャリア領域をテクノロジーで可視化し、人的資本を可視化するミッションをまっとうしていきたい思いです。

    これからのアクションとしては、「大きい組織の中で、みなさんが個人として何を仕掛けるのか」を考えていただきたい。これから5年で何をやりきるのかを、今後の宿題として課したい気持ちです。

    当コンソーシアムの交流には、大きな価値がありました。そのうえで、ここで生まれた企業さん同士の繋がりは、さらなるアクションを起こすエンジンになっていくはずです。今後、みなさんの社内施策に参画企業の担当者を巻き込み、自社の変革へ役立てていただきたいです。月1回の分科会、そして準備を通じてお力をいただき、ありがとうございました。

    2年目の「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」は、1期で作り上げた理論からの行動指針を作る年でした。続く第3期では実際に行動を起こし、結果を反映しながらさらに発展させていくつもりです。第3期の活動にもご期待ください。今後とも、当コンソーシアムをよろしくお願い致します。

    企画編集:伊藤 剛(事務局 広報・啓発 責任者/キャリアオーナーシップ・リビングラボ責任者)
    構成・ライター:伊藤 ナナ(PAX株式会社)、杉本 友美(ライティングファーム紡)
    グラフィックレコーディング:松田 海(株式会社グラフィックレコーディング)

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