イベントレポート
キャリアオーナーシップ経営
AWARD2025表彰式
人的資本を最大化する実践論として「キャリアオーナーシップ経営」を目指す企業を広く募集し、その活動を称え、特に世の中に広めた優れたアウトプットや成果を出している企業を表彰する「キャリアオーナーシップ経営AWARD2025表彰式」を、2025年5月13日(火)に、東京ミッドタウン八重洲カンファレンスで開催しました。
本アワードは、企業経営・事業戦略・人材戦略を有機的に結びつけ、働く個人が自らのキャリアを主体的に捉え、自律・自走しながら組織と共創する「キャリアオーナーシップ経営」の実践を広く称えるものです。第3回となる今回は、全国から応募のあった企業・団体の中から、グランプリ1社をはじめ、4部門における最優秀賞(計11社)、優秀賞/審査員特別賞(計2社)、優秀賞(15社・1団体)奨励賞(計3社)が表彰されました。
当日は、グランプリを受賞したエーザイ株式会社のほか、最優秀賞(大企業の部)に、株式会社NTTドコモ、株式会社マクニカ、小田急電鉄株式会社、株式会社SHIFT、三井住友海上火災保険株式会社、株式会社NTTデータ、株式会社ニトリホールディングスが選ばれました。また、最優秀賞(中堅・中小企業の部)には、レジル株式会社、株式会社Re-grit Partners、株式会社読売広告社、株式会社ロイヤリティマーケティングが選出されました。
このほか、優秀賞/審査員特別賞として内閣官房内閣人事局と、有限会社高村、優秀賞に大企業と中堅・中小企業をあわせ計15社1団体が選ばれ、受賞企業・団体は合計32社・1団体にのぼりました。各代表者が登壇し、表彰状およびトロフィーが贈呈されました。
本アワードの審査委員長を務める伊藤 邦雄 一橋大学 CFO教育研究センター長は総評にて、「社員一人ひとりのキャリア形成を企業経営と結びつけようとする姿勢が、各企業から強く感じられた」と語りました。さらに、「単なる制度設計や研修にとどまらず、社員の人生に真摯に向き合う覚悟が表れていた。キャリア形成は“会社の義務”でも“個人の自己責任”でもなく、“共に育て・共に育ち合う営み”として再定義されてきている。これは日本社会における成熟したキャリア観の現れであり、多くの企業にとってのロールモデルとなる」と評価しました。
-
本アワード審査委員長・伊藤 邦雄氏
(一橋大学 CFO教育研究センター長)
グランプリ・各最優秀賞発表&表彰式
2025年5月13日(火)14:30~17:00、グランプリ・各最優秀賞の発表と表彰式を行いました。
表彰式の様子
キャリアオーナーシップ経営を目指す企業を表彰するアワードを開催
「キャリアオーナーシップ経営」とは、「はたらく個人の力を最大化させ、社会の力に変えていくために、企業が経営戦略、事業戦略、人材戦略をダイナミックに連携させる」ことを指します。キャリアオーナーシップ経営を実現すれば、仕事を主体的に捉え、自律・自走しながら周囲と共創する人材が増え、個人と組織が対等な関係性を構築・再構築し、個人と組織の持続的な成長を共に実現する経営ができるという考えです。
そして、「キャリアオーナーシップ経営AWARD」は、人的資本を最大化する実践論としてキャリアオーナーシップ経営を推進する企業を広く募集し、その活動を称え、社会に広く共有すべき成果を上げた取り組みを表彰するものです。
2025年の表彰式は、大企業の部では、優秀賞および審査員特別賞の企業が発表され、同様に各社の代表者が登壇しました。中堅中小企業の部では、奨励賞、優秀賞、審査員特別賞の順に受賞企業が紹介され、各代表者が登壇しました。各受賞者には、主催者および審査員から表彰状やトロフィーが贈られ、記念撮影が行われました。
本アワードの実行委員長である、法政大学 キャリアデザイン学部・大学院教授の田中 研之輔先生は、冒頭挨拶にて「キャリアオーナーシップが社会の前提となる時代を迎えている。本アワードを通じて、変化の実践と連携を今後も継続していきたい」と述べました。

「優秀賞」「優秀賞/審査員特別賞」「奨励賞」を発表・表彰
優秀賞として、大企業の部からは、ANAホールディングス株式会社、H.U.グループホールディングス株式会社、エームサービス株式会社、NECソリューションイノベータ株式会社、株式会社オリエントコーポレーション、株式会社オンワードホールディングス、金井ホールディングス株式会社、株式会社CARTA HOLDINGS、株式会社JSOL、一般社団法人 日本自動車連盟、三菱電機株式会社の計11社が受賞しました。また、中堅・中小企業の部ではアディッシュ株式会社、株式会社いつも、株式会社mediba、株式会社ヤプリが受賞しました。さらに、越境コミュニティの部で企業アルムナイ研究会(中央大学ビジネススクール)が受賞しました。
-
大企業の部 優秀賞受賞企業代表者と審査員一同 -
中堅・中小企業の部 優秀賞受賞企業代表者と審査員一同 -
越境コミュニティの部 優秀賞受賞
中央大学 ビジネススクール(犬飼研究室)『企業アルムナイ研究会』代表者と審査員一同
企業アルムナイ研究会に対しては、「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」 Co-Founder(パーソルホールディングス株式会社 グループコミュニケーション本部長 兼サステナビリティ本部長)の村澤 典知氏が「アルムナイという言葉の再定義を行い、退職後も企業との関係性を持続させるという新しいキャリア観を提示している。実務家と大学の連携による知見の体系化や、理論と実務の両面からの価値ある発信は、キャリアオーナーシップ経営全体にとって意義深いものである」と評価しました。
また、株式会社JSOLに関しては、いすゞ自動車株式会社常務執行役員CHRO人事部門EVP の有沢 正人審査員が「社員一人ひとりが意志を持って成長し、自己組織化された集団を目指している点が特徴的。トップダウンからの脱却を図り、キャリアオーナーシップの実践が文化として根付きつつある。組織の在り方を根本から見直す先進的な事例である」と述べました。
優秀賞/審査員特別賞には、大企業の部から内閣官房内閣人事局、中堅・中小企業の部から有限会社髙村が選ばれました。奨励賞は中堅・中小企業の部で、インキュデータ株式会社、株式会社グリーンフィールド・オーバーシーズ・アシスタンス、株式会社メディアファーストが受賞しました。
-
大企業の部 優秀賞/審査員特別賞受賞
内閣官房内閣人事局 調査官(表彰式時・独立行政法人国立公文書館) 長野浩二氏 -
中堅・中小企業の部 優秀賞/審査員特別賞受賞
有限会社髙村 代表取締役 髙村奈津代氏 -
中堅・中小企業の部 奨励賞受賞企業代表者と審査員一同
内閣官房内閣人事局について、田中 研之輔実行委員長は「約29万人という巨大な組織の中で、キャリア形成支援を起点に組織変革を進めた点が高く評価されました。特に『自分のこれまでの仕事が、組織・社会・国のためになっていると実感した』という受講者の声は印象的で、ジョブ・クラフティングやキャリア自律の促進につながっていることがわかります。官公庁という文脈でこれを実現していることは、非常に大きなチャレンジだ」とコメントしました。
また、有限会社髙村については、一橋大学 CFO教育研究センター長の伊藤 邦雄 審査委員長が「島根県浜田市という地方に拠点を置く中小企業が、日常の現場対話からキャリア支援を始め、社員の人生の選択肢を広げる試みに挑んでいます。地域で人的資本経営を根づかせる実践として、高く評価しました」と講評しました。
「企業文化の変革部門」「キャリアの変革部門」「人事/HRの変革部門」「マネジメントの変革部門」の最優秀賞を発表・表彰
続いて4つの部門において、最優秀賞を受賞した企業(計11社)が発表されました。
企業文化の変革部門
キャリアオーナーシップを土台とした、新たな企業文化・風土を生み出すための取り組みを表彰する本部門では、株式会社Re-grit Partners(中堅・中小企業の部)、小田急電鉄株式会社(大企業の部)の2社が選出されました。
株式会社Re-grit Partners Talent Acquisition Manager 藤井幹人氏は「従業員が『この会社にいることで自分のキャリアが明るく拓ける』と本気で思える組織カルチャーづくりに尽力してきた。その成果が今回の受賞につながったことに深く感謝したい」、小田急電鉄株式会社 人事部長 内海健史氏は「弊社は鉄道従事員が約7割を超える中、日々の業務を通じてキャリアに自信と誇りを持ち、自律的にキャリアを築く姿勢が評価いただけたのかなと考えている。今後もキャリアオーナーシップを推進し、地域社会に貢献していく」と喜びの声を伝えました。
審査員の株式会社morich 代表取締役All Rounder Agent、森本 千賀子氏は株式会社Re-grit Partnersについて「山木社長自らが「1000人のCXO輩出」を掲げ、社員一人ひとりのキャリア支援と組織文化変革を推進している。副業支援やコンサルティングプラス制度、リーダー育成プログラムなど多彩な施策により、社員のキャリアオーナーシップと成長を促進。心理的安全性と挑戦意欲の両立により、持続的な企業価値向上を目指している」と評価しました。
また、審査員の有沢正人氏は小田急電鉄株式会社について「安定志向の強いインフラ企業でありながら、全社員にキャリア対話を実施し、心理的安全性を高める文化変革を推進。特に管理職のキャリアコンサルタント化や自由記述式アンケートによる意識浸透が高評価につながった。制度導入にとどまらず、運用と文化形成を重視し、地域貢献とも結びついた意義深い取り組みである。今後は他インフラ企業の牽引役としての活躍が期待される」と評価しました。
-
「企業文化の変革部門」受賞企業(中堅・中小企業の部)
株式会社Re-grit Partners Talent Acquisition Manager 藤井幹人氏 -
「企業文化の変革部門」受賞企業(大企業の部)
小田急電鉄株式会社 人事部長 内海健史氏
キャリアの変革部門
副業・兼業やリスキリングなど、非連続なキャリア形成を支援する仕組みに取り組む企業を表象する本部門では、株式会社ロイヤリティマーケティング(中堅・中小企業の部)、株式会社NTTデータ、株式会社ニトリホールディングス(大企業の部)の3社が最優秀賞を受賞しました。
株式会社ロイヤリティマーケティング 人事部長 相澤倫也氏は「変化の激しい市場環境に対応する中で、個人の主体性を組織の力に変える「成功循環モデル」に基づき取り組んできた。GROW面談や人材開発会議などを通じ、社員一人ひとりの成長に真摯に向き合うマネジメント層への感謝を伝えると共に、今後も進化を目指す」と語りました。
株式会社NTTデータ 法人分野 HRオフィサ 廣瀬智之氏は「キャリアの自立を通じて個人と企業の成長を両立させる様々な施策を行ってきた。その施策の中心であるキャリア面談を軸に、社員と管理職の双方を支援。取り組みは道半ばではあるが、今後も制度のブラッシュアップを進めていく」、株式会社ニトリホールディングス 取締役 ニトリ大学学長 兼 人材教育部 ゼネラルマネジャー 安孫子尋美氏は「私たちは『暮らしの豊かさを世界へ』という志のもと、人材育成に全社一丸で取り組んでいる。メンバーシップ、ジョブ型、OJTやOff-JT、リアル、オンラインと二項動態の形で、人事全員で人材育成に努めていきたい。社員がなりたい姿に向けて学び続けられる仕組みを推進。今回の受賞を今後の挑戦への励みとし、さらなる成長を誓う」と喜びの声を伝えました。
審査員の髙倉&Company合同会社 共同代表 Co-CEO、髙倉 千春氏は株式会社ロイヤリティ マーケティングについて「社員一人ひとりの『どうありたいか』に制度の軸足を置き、キャリア面談「GROW面談」や人材開発会議を通じて真に個人に寄り添う施策を実施。評価や人事と切り離した対話と、それを基にした成長機会の提供が、文化変革と経営成果にまで結びついている点が素晴らしい。キャリアオーナーシップを経営の基盤へと昇華させた好事例」と評価しました。
また、審査員のパナソニック コネクト株式会社 代表取締役 執行役員 プレジデント・CEO、樋口 泰行氏は株式会社NTTデータについて「キャリア面談を「ありたい姿」に向けた一歩を後押しする場として再設計。社員・上司双方を支援する仕組みや情報管理の整備により、対話の質を高め、キャリア自立文化の定着を図っている。1900名超の面談データを育成に活用し、成長を引き出す対話を実現。制度と人間性の両立に挑む姿勢は、今後のキャリアオーナーシップ経営のモデルとして期待される」と述べました。
株式会社ニトリホールディングスについては「キャリアオーナーシップを制度導入以前から実践し、多様な働き方に対応した制度設計を構築してきた。メンバーシップ型とジョブ型を融合し、社員がなりたい姿に主体的に向き合える環境を整備。経営哲学とキャリア形成を結びつけ、SDGsを軸に「生き方改革」としての支援を推進。実践的かつ戦略的な先進事例である」と評価しました。
-
「キャリアの変革部門」受賞企業(中堅・中小企業の部)
株式会社ロイヤリティマーケティング 人事部長 相澤倫也氏 -
「キャリアの変革部門」受賞企業(大企業の部)
株式会社NTTデータ 法人分野 HRオフィサ 廣瀬智之氏 -
「キャリアの変革部門」受賞企業(大企業の部)
株式会社ニトリホールディングス 取締役 ニトリ大学学長 兼 人材教育部 ゼネラルマネジャー 安孫子尋美氏
人事/HRの変革部門
経営や事業の視点を踏まえた新たな人事の在り方と、必要なケイパビリティの拡張に関する取り組みを表彰する本部門では、レジル株式会社(中堅・中小企業の部)、株式会社NTTドコモ、株式会社マクニカ(大企業の部)の3社が選出されました。
レジル株式会社 執行役員CHRO 須山一成氏は「一本足打法からの脱却を目指し、社長のリーダーシップのもと事業戦略の転換と人事文化の改革に取り組んでいる。『働き方が変わらなければビジネスは変わらない』を信念に挑戦を継続。2年連続の受賞を励みに、来年のグランプリ獲得と社会への貢献を目指したい」と喜びの声を伝えました。
株式会社NTTドコモ 担当課長 郡康之氏は「社員の最適配置とキャリア形成を支援するAIツール『ジョブボヤージュ』を導入し、全社員への活躍機会の提供を目指している。人事の役割は『育成・活躍の場づくり』と捉え、今回の受賞を励みに今後も取り組みを強化していく」、株式会社マクニカ 代表取締役社長 原 一将氏は「弊社は社員の成長を加速する育成プロセスと、パーパス・ビジョン、企業文化に連動した人事制度改革が評価され、3年連続で受賞させていただけた。AI時代に備え、全社員がクリエイティブな価値創出に挑む環境を整備し、今後も新たな価値提供を目指す」と述べました。
審査員の有沢正人氏はレジル株式会社について「再生エネルギー分野で自己組織化を実践し、トップダウンから脱却。社員の主体性を尊重する人事制度や、新卒配属の自己選択制など革新的な仕組みを導入している。制度と文化が連動し、2030年目標の前倒し達成など成果も顕著。キャリアオーナーシップを全社で体現し、先進的な取り組みである」と述べました。
また、審査員の髙倉 千春氏は株式会社NTTドコモについて「社員の自立的成長支援と人材活用のためにAIを活用した『ジョブボヤージ』を開発。スキルや経験を可視化し、社員が自らキャリアを考える仕組みを提供している。自己省察と成長促進を重視した革新的な取り組みである」と評価しました。
株式会社マクニカについては「キャリア支援をパーパス経営と結びつけ、『価値向上職』など新たな職種設計や社内大学「MAC University」を通じて学びと挑戦の好循環を実現。報酬や定年制度の見直しにも挑戦意志を軸に据え、制度設計・組織風土・キャリア支援の三位一体でキャリアオーナーシップ経営の実現に向けて前進している」と評価しました。
-
「人事/HRの変革部門」受賞企業(中堅・中小企業の部)
レジル株式会社 執行役員CHRO 須山一成氏 -
「人事/HRの変革部門」受賞企業(大企業の部)
株式会社NTTドコモ 担当課長 郡康之氏 -
「人事/HRの変革部門」受賞企業(大企業の部)
株式会社マクニカ 代表取締役社長 原 一将氏
マネジメントの変革部門
マネジメント層の育成や在り方に重点を置いた取り組みを表彰する本部門では、株式会社読売広告社(中堅・中小企業の部)、株式会社SHIFT、三井住友海上火災保険株式会社(大企業の部)の計3社が最優秀賞を受賞しました。
株式会社読売広告社 代表取締役社長 菊地英之氏は「3年前に社長就任後、全社員と対話を重ねながら企業文化を築いてきた。全社員との1on1や週刊メルマガ、目安箱の設置など、双方向のコミュニケーションを実践し、社内変革を推進。これらの取り組みを評価していただけたのではないか」と喜びの声を伝えました。
株式会社SHIFT 人事本部 VPoHR 上岡隆氏は「IT総合サービス企業としてAIを積極活用し、人の能力を拡張する手段として捉えている。AI時代のキャリアの在り方を模索し、全社的にAIへの理解と活用を促進。今後も人とAIの共生を前提に、組織文化の進化を目指す」、三井住友海上火災保険株式会社 取締役常務執行役員 井口直紀氏は「人事制度改革に向けた2年間の取り組みにより、社員1万人以上の声を反映した最適な制度を構築した。今後は制度の運用と進化を通じて、社員一人ひとりが主体的に成長・貢献を実感し、最終的にはお客様本位の業務運営を実現していくことが人事改革のゴールだと考えている」と述べました。
審査員のキャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム Co-Founder(パーソルホールディングス株式会社 グループコミュニケーション本部長 兼サステナビリティ本部長)、村澤 典知氏は株式会社読売広告社について「『社員を主人公にする』姿勢でキャリアオーナーシップを推進。社員のスキルや心理状態を可視化する独自指標や支援体制を整備し、制度と成長機会を連動。マネジメント変革や人材戦略とも連携し、若手離職率の改善や男性育休取得100%など成果も顕著である。制度導入に留まらず、感情と意思に寄り添う実践が素晴らしい」と評価しました。
審査員の森本 千賀子氏は株式会社SHIFTについて「AIを活用して社員一人ひとりの能力を拡張し、キャリア進化を支援。毎朝15分のAI活用朝会や『天才君』シリーズなど独自施策を展開している。変化を拒む壁を認識し、人事部門が変革の中心となり文化設計を推進。テクノロジーをキャリア支援のパートナーと捉え、次世代のキャリアオーナーシップ経営のフロントランナーとして期待している」評価しました。
三井住友海上火災保険株式会社については「社員が望むキャリアを自ら掴むため、制度・意識・文化の変革を本気で推進。社長自らも対話に参加し、現場主義と当事者意識に基づく制度を構築している。不安への丁寧な対応やボトムアップの変革姿勢が評価され、キャリアオーナーシップ経営を次元高く実現している。金融業界含む成熟産業に大きな示唆を与える好事例である」と述べました。
-
「マネジメントの変革部門」受賞企業(中堅・中小企業の部)
株式会社読売広告社 代表取締役社長 菊地英之氏 -
「マネジメントの変革部門」受賞企業(大企業の部)
株式会社SHIFT 人事本部 VPoHR 上岡隆氏 -
「マネジメントの変革部門」受賞企業(大企業の部)
三井住友海上火災保険株式会社 取締役常務執行役員 井口直紀氏
キャリアオーナーシップ経営AWARD2025 グランプリ
最後に、最優秀賞の水準を満たし、個人のキャリア軸での全社的な変革の実践と成果をあげ、それを社外に対しても積極的に発信し、顕著な社内外への影響を及ぼしている企業に贈られる「グランプリ」(1社)が発表されました。2025年のグランプリには、エーザイ株式会社が選出されました。
伊藤審査委員長は、「エーザイ株式会社は、人的資本経営の文脈において既に世界水準のレポーティングを行っており、さらに“キャリアオーナーシップ”という観点でも先進的な取り組みを進めている。特に、社員一人ひとりが会社に依存するのではなく、“会社を活用する”という意識変革を促す仕組みや支援体制を整え、成熟社会におけるキャリアのモデルを提示している」と評価しました。
続いて、グランプリ受賞を記念し、エーザイ株式会社 チーフHRオフィサー(兼)コーポレートコミュニケーション担当(兼) サステナビリティ担当(兼)総務担当の真坂晃之氏が登壇。「人的資本経営とキャリアオーナーシップの実践」をテーマに講演を行いました。真坂氏は、hhc(ヒューマン・ヘルスケア)理念に基づく統合人事戦略の構築や、Human Capital Report(ヒューマンキャピタルレポート)作成などの取り組みを紹介。キャリアウィークやキャリアマンスなど多面的な施策を通じて、社員の主体的成長と組織の活性化を図っていると説明しました。「情報開示と対話を通じ、社員と共に人事戦略を磨くことが、真の人的資本経営につながる」と語りました。
-
「グランプリ」受賞企業
エーザイ株式会社 チーフHRオフィサー(兼)コーポレートコミュニケーション担当(兼) サステナビリティ担当(兼)総務担当の真坂晃之氏
-
講演資料(一部):キャリアオーナーシップ経営AWARD 2025 グランプリ受賞にあたって -
講演資料(一部):キャリアオーナーシップ経営AWARD 2025 グランプリ受賞にあたって
「キャリアオーナーシップ経営AWARD 2025 表彰式」概要
カゴメアクシス株式会社代表取締役社長
キャリアオーナーシップ経営AWARD 2025 表彰式 実施概要
はたらく個人の自律的な成長による企業の持続的な価値向上(キャリアオーナーシップ経営)を目指し、キャリアオーナーシップを発揮する人材を①可視化(見える)、②増やす、または、③事業や組織の成長と接続する(つなぐ)、活動/仕組み/施策として、アウトプットを伴う取り組みをしている企業・コミュニティを広く募集します。
①応募資格
2024年12月までに取り組みをしている企業が対象です。
企業・グループ・個人など、応募する活動主体に制限はありません。
審査対象は日本国内での取り組みに限ります。
②応募部門
2025年は、キャリアオーナーシップ経営を導入・実践していく上で重要となるテーマの中から、4つの領域(部門)とし、従業員数の規模に応じて表彰致します。また組織変革を推進する団体を表彰する越境コミュニティの部を設立しました。
※表彰部門は増える場合があります。
企業表彰
(1) 従業員規模による区分
・大企業の部
従業員が1,000名以上の企業
・中堅・中小企業の部
従業員が1,000名未満の企業
(2) 領域(部門)
人事/HRの変革 部門
経営や事業視点を加味した新たな人事/HRの役割と、必要なケイパビリティの拡張につながる取り組みをしている企業を表彰します。
企業文化の変革 部門
キャリアオーナーシップを土台とした、新たな企業文化・風土を生み出すための取り組みをしている企業を表彰します。
マネジメントの変革 部門
キャリアオーナーシップ人材を育て活躍の機会を提供する様々な取り組みの中で、特にマネジメント層のあり方や育成にフォーカスした取り組みをしている企業を表彰します。
キャリアの変革 部門
キャリア対話やキャリア開発、社内外の越境・リスキリングなど非連続なキャリア育成につながる取り組みをしている企業を表彰します。
団体表彰
・越境コミュニティの部
複数の企業や団体が参加し、組織変革を推進する実践コミュニティを表彰します。
(法人格の有無は不問です。)
③審査/選考方法
有識者等で構成する審査委員会において、応募企業の取り組みを厳正かつ公正に評価し、部門ごとに受賞企業を選定致します。なお、審査の結果、受賞企業なしとなる場合がございます。
過去にご応募・受賞された企業様も、新たな実践と成果を評価の対象とします。